NORIO 2026年 秋物デザイン案LOOK 01「SILENT ORBIT COAT」— 茶畑の呼吸と、都市の輪郭
- polestarforeverlov
- 13 時間前
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NORIO 2026 AUTUMN「SILENT ORBIT COAT」— 都市の黒の輪郭に、茶畑の緑の呼吸を仕込む。
SILENT ORBIT COAT — 無意識の残像を、静岡の空気で整える
ニューヨーク、パリ、ロンドン、ミラノ、ドバイ。
成熟した都市を巡るほど、逆説的にひとつの共通点が見えてくる。
それは、語りすぎない美です。
説明で押し切らない。
ロゴで主張しない。
触れた瞬間にわかる素材と、使い続けて初めて伝わる構造だけが、静かに残る。
NORIOの2026年秋物「SILENT ORBIT COAT」は、そうした“世界基準の沈黙”が、いつの間にか自分たちの無意識に沈殿していたことを、静岡の空気で整え直した提案です。
引用ではなく、残像の再構成。模倣ではなく、翻訳です。
茶畑の緑と都市の黒:対立ではなく「緊張と調和」
このコートの核は、色の思想にあります。
静岡の茶畑の緑は、生命力を誇示しません。
ただ、季節と霧と光を受け止めながら、静かに続く色です。
一方で都市の黒は、威圧のための黒ではありません。
情報の洪水の中で輪郭を整え、余白を生み、姿勢を保つための黒。
黒は“強さの記号”ではなく、整えるための骨格になり得ます。
表は都市の黒。
しかし裏には茶畑の緑が息をしている。
歩いたとき、風が入ったとき、スリットや袖口のわずかな角度で、緑が「気配」として現れる。
NORIOが目指すのは、装飾ではなく、空気感を纏う色です。
デザイン解説(スケッチ番号に対応)
① 立ち襟:風を遮る“静かな機能”
立ち襟は、防寒のための機能であると同時に、顔まわりの印象を決める「沈黙のフレーム」です。
主張は強くないのに、佇まいが整う。
秋の入口に必要なのは、過剰な厚みではなく、風との距離感だと考えました。
② 前立て:ボタンを隠す“沈黙の構造”
成熟した美ほど、語らない。
この前立ては、視覚的な情報を減らすことで、素材と比率の精度を前に出す設計です。
ハードウェアを見せないことは、飾らないというより、余白を保つ意思です。
③ 直線ポケット:手が落ち着く位置にあること
ラグジュアリーを「静かなもの」と定義するなら、手の居場所は重要です。
ポケットは、ディテールではなく“身体の安心”をつくる装置。
位置と角度は、歩行時に最も自然に手が収まるところへ。
④ スリット裏:茶畑の緑は“見せる”のではなく“滲ませる”
このコートの緑は、表に塗るための色ではありません。
黒の中から、微かに呼吸が漏れるように。
緑は「主役」にならず、「気配」として残る。
そこにNORIOの色彩哲学があります。
⑤ テーパード:重心を静かに整える
秋のスタイリングは、厚みが増えるぶん重心が下がりやすい。
だからこそ、裾に向かって“静かに絞る”設計で、全体の姿勢を整えます。
派手に細くしない。けれど、確実に整う。
素材提案:触れた瞬間ではなく、時間で伝わるもの
秋物は、最初の試着よりも、一日着た後に差が出ます。
肌当たり、熱のこもり方、重さの疲労、雨上がりの回復。
「長く共にいられる」という条件を、素材と構造で支えたい。
表地:ウール×カシミヤ(マットな黒/光を抑える)
裏:茶染め調のツイル(深い緑/湿度のある色)
仕立て:直線と余白が崩れない骨格(見えない部分ほど丁寧に)
NORIOは、説明ではなく触覚で信頼が積み上がる服を目指します。
結び:ラグジュアリーとは「高いもの」ではなく「静かなもの」
このコートは、目立つために設計されていません。
所有者の人格を邪魔せず、長く共にいられ、騒がしさから距離を取れる。
だからこそ、時間とともに価値が増していく。
それがNORIOの考えるラグジュアリーです。
茶畑の緑と都市の黒。
静岡と世界の交差点に立つ色を、2026年の秋へ。



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